付加価値のない自動車会

~副題 クルマだらけの間違いづくし~

Hardly-Davidson

長らく待ち望んでいる本がある。「マニアックバイクコレクション」の続編である。モーターマガジン社バイク雑誌「ミスター・バイク」に連載されている同名のコーナーなどを抜粋し再編成されたもので、上巻は2009年、下巻は2010年に出版された。取り上げられるバイクも面白いが、なんと言っても担当の濱矢フミヲさんのべしゃりだ。コントの放送作家か。2輪のモータージャーナリストがこんなことしてて、野放しにしている会社もどうかと思うが。

よくネタになる「アメリカンモデル」というジャンル。当時は単に「アメリカン」と呼んでいた。今は「和製アメリカン」「ジャパニーズアメリカン」「ジャメリカン」などと呼ぶ人もいて愛好家がいるようだ。

既存のロードモデルに長いフロントフォークをくっ付け、キャスター角を寝かせて、前に大径、後ろに小径ワイドタイヤ、アップハンドルに段付きシートで「はいお待ちどうさまです」みたいな手っ取り早さ感がとてもいい。まさかメーカーがそんな乱暴な作り方するわけないと思うがイメージはそんな風。

でもね、今やハーレーだらけのこの世界で、「ニセモノ」も「ホンモノ」も通り越してこれはかなりカッコいいぞ。そこで今日は、信号待ちでハーレーのおじさま軍団に取り囲まれてしまった極限状態でもピンチをチャンスに変えられるアメリカンモデルをノミネート。

まずはカッコいい方から。ホンダCB750カスタム エクスクルーシブとカワサキZ750スペクターの2台。う~ん2台とも持っていたら幸せだ。これは究極的には「CBですから」「Zですから」で話が通ってしまう。当然ヤマハXS650が来るはずが微妙にもXV750スペシャルをチョイス。ホースバックライディングとRZ125のようなモノクロスサスがびびっと来た。均整の取れたプロポーションは「ザ・工業製品」の趣。我が道をゆく水冷カワサキVZ750ツインにも媚びない男気がある。

けれども私のように永遠のゲンテイカイジョリストはいったいどうすれば。心配ご無用。GL400カスタムを筆頭にCM400T、CB400LCのホンダアメリカン三羽烏を車庫に並べるのだ。カワサキZ400LTDとヤマハRX50スペシャルも無くてはならない。

そんだら私のようにどうしてもカネが工面できない現代のカーボーイはどうすれば。心配ご無用。それでいてハーレーに取り囲まれても、「いやいや全然違いますよ。そんなつもりじゃありませんから」と胸を張って言えるアイアンホース達にご登場願おう。

ヤマハXS400スペシャル。プレスバックボーンフレームという提案。俺は風になる。カワサキEN400ツイン。上向きのティアドロップタンクが涙目にしみる。ホンダ250T LAカスタム。これはフリーダムへのい・ざ・な・い。

インターネットの時代に製本しても売れないからなのか、なかなか「マニアックバイクコレクション」の第三弾が出て来てくれない。雑誌では連載中なのにね。モーターマガジン社さん、濱矢さん、再編集とか企画とか面倒くさかったらそのままでいいですから、手っ取り早く雑誌から抜き取ってホチキスで綴じてくれませんか。あのジャパニーズアメリカン達の手口を見てごらんなさい。